小説「サークル○サークル」01-387. 「加速」

 翌日、シンゴはひどい頭痛で目が覚めた。喉もひどく乾く。吐き気がしないだけマシだな、と思いながら、アスカを見ると、アスカはぐっすりと眠っていた。
 シンゴはキッチンへミネラルウォーターを取りに行くと、ソファに腰を下ろして、ペットボトルに入ったミネラルウォーターに口をつけた。
 冷たい水が身体の隅々にまで渡っていく。半分くらい飲み終えたところで、飲むのをやめると、大きな溜め息をついた。
 頭痛薬を棚から取り出すと、残りの水を使って飲んだ。そして、再び、寝室に戻る。
 アスカは小さい寝息を立てていた。
 シンゴは音を立てないように布団に入ると、アスカに背を向ける。
 男女の呼吸のリズムは違うから、一緒に寝るのは効率的ではないと何かの本で読んだことがあった。けれど、こうして、隣で眠ることがシンゴにとっては良いことのように思えた。
 一人で眠るより、良質な睡眠は取れないかもしれない。それでも、どんなに微妙な関係性になっても、別れずに済む最善の方法に感じられたのだ。


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