小説「サークル○サークル」01-395. 「加速」

 アスカが事務作業を始めて数時間後、アスカの携帯電話が突然鳴った。
 ディスプレイに表示されたのはレナの名前だった。
「はい」
「アスカさん、ですか?」
 控えめなレナの声が聞こえる。その声はどこか不安そうだった。
「どうしたの?」
「今、彼と一緒にいるんですけど……」
 アスカの心臓が一つ高鳴った。
 予想外の電話だった。けれど、いつか来るだろう、と思っていた電話でもあった。
 時計に目を遣ると、まだ夕方だ。ヒサシは仕事中ではないのだろうか、と思ったけれど、アスカは「何かあったの?」とだけ言った。
「今から、アスカさんに来てもらうことは出来ませんか?」
 レナの声はどこか困惑しているように聞こえる。
「わかったわ。今、どこ?」
 アスカは詳細を聞き出すことなく、承諾すると、レナが指定してきた場所へ行くことにした。レナが指定してき場所は事務所から数駅離れたカフェだった。
 アスカはレナからの電話を切ると、紅茶のカップもそのままでコートを着ると、急いで事務所を後にした。


dummy dummy dummy