小説「サークル○サークル」01-373. 「加速」

「レナの代わりに、君が俺の愛人になるのはどう?」
アスカにはヒサシが口にする言葉が読めていた。
シンゴがきっとターゲットがアスカに行ってくるであろう言葉をいくつかあげていたのだが、その中の一つがそれだったからだ。
「そんな条件、飲めるわけないでしょう?」
「既婚者だから?」
「既婚者だからとか、独身だからとか、そんなこと関係ないわ」
「だったら、どうして?」
「その他大勢になるのがイヤだからよ」
「へぇ……意外な答えだな」
「その他大勢でも満足するような女に見えた?」
「そういうことを気にしないような女に見えていたよ」
「それは褒められているのかしら」
「俺としては、褒めているけどね」
ヒサシはグラスの残りの酒を一気飲み干した。
アスカもシャンディーガフを一気に飲み干した。二人は同時に立ちあがる。
「レナは諦めてもらうから」
「力ずくで持っていくつもり?」
「力ずくとはいかないまでも、あなたと接触はさせないつもり」
「依頼者にこのことがバレていると言っていもいいと?」
「ええ。好きにすればいいわ。それよりも、私にとっては、レナからあなたから離れることの方が今は大切なのよ」
そう言い残し、アスカはヒサシの元を去った。

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