小説「サークル○サークル」01-371. 「加速」

「彼女はあなたとの関係を絶とうとしているの。それは彼女からも話があったでしょう?」
「ああ、何度もあったよ」
「だったら、いい加減、応じたら?」
「……君も強情だね」
「それはあなたもよ」
ヒサシとアスカはしばし黙る。話し合いは平行線だ。
「ねぇ、こういうのはどうかしら?」
「なんだい?」
「あなたが沢山の女性と浮気をしている、ということをあなたの奥さんにはバラさない。その代わり、彼女を解放してあげてほしいの。彼女を解放してくれないなら、奥さんに全てをバラすわ」
「……脅しってわけか」
「別に脅してるわけじゃないわよ。取引をしているの」
アスカはにっこりと微笑んだ。けれど、目の奥は決して笑ってなどいない。いつになく、真剣だった。
「どうする? 前者を選んだ方があなたの為だとは思うけど」
「確かにそうだろうね。その方が賢い選択と言えそうだ」
「あら、話が早いじゃない」
アスカは満足そうに微笑んだ。その微笑みは勝利をどこか確信している。

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