小説「サークル○サークル」01-412. 「加速」

ヒサシの言っていることはよくわかる。けれど、都合の良い言葉のようにアスカには感じられた。
一体、レナは何を思っているのだろう。気にはなるけれど、今、聞くことは出来ない。もどかしさを抱えながら、アスカはヒサシとユウキのやりとりを待った。
ユウキをちらりと見遣れば、何を言おうか思案しているようだった。明らかに歩はヒサシにある。ヒサシは大人の余裕と持ち前の頭の回転の速さでユウキをじわじわと追い詰めている。きっと、ヒサシはもっと簡単にユウキを追い詰めることが出来るだろう。けれど、敢えて、それをしないのは、ヒサシの優しさなのかもしれない。
問題はレナがどういった結論を出すか、ということだ。
二人の会話をレナがどんな風に受け取るのかによって、レナが導き出す答えは異なってくるだろう。ヒサシと本当に別れたいのであれば、ユウキの言っていることに賛同すればいいのは明白だ。けれど、ヒサシの話の内容に心を打たれれば、別れるという選択自体をひっくり返さないとも限らない。

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