小説「サークル○サークル」01-388. 「加速」

 寝ているアスカを放っておいて、シンゴはコンビニへと向かった。朝食に食べるパンを切らしていたことを思い出したのだ。
 適当に服を選び、パジャマから着替えると、シンゴはそっと部屋を出た。
 コンビニ行き、ベーコンマヨネーズパンとメロンパン、チョコクリームパンをレジに持っていくと、さっきまで店内にいなかったユウキが立っていた。
「いらっしゃいませ。こんな時間に珍しいですね」
「君こそ、こんな時間に珍しいね」
「早番のヤツが風邪引いちゃったらしくて、代わりに俺が」
「なるほどね」
「お会計は三六〇円です」
 シンゴはポケットに入れておいた財布を取り出し、支払を済ませる。
「あれから、どうなの?」
 シンゴは後ろに人が並んでいないことを確認してから、ユウキの目を見て言った。
「レナのことですか?」とユウキは言った後、シンゴが頷いたを確認して、「あのまま進展なしですよ」と苦笑した。
「そうか……。でも、きっといい方向に向かうと思うよ」
 シンゴはそう言って、店を後にした。

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