小説「サークル○サークル」01-384. 「加速」

「セックスレスが原因で浮気を始めたのか、浮気をしていたからセックスレスになったのか、考えれば考えるほど、ドツボにハマるっていうかさ。私は別れさせ屋だし、別にそんなこと考える必要はないんだけど、時々思っちゃうんだよね。私のしてることって正しいのかなぁって。お金をもらって、成立している仕事だし、必要ともされているのはわかっているんだけど、どちらかに有益に働いているだけで、良いとか悪いとかって基準で考えるのだとするならば、もしかしたら、悪い方に加担してしまっている可能性もあるわけでしょう?」
「浮気をする原因を作ったのが依頼者だった場合ってこと?」
「そう。または自分も浮気をしている場合とかね」
「あまり考え過ぎない方がいいんじゃない? 必要とされている、仕事として成立している、それだけじゃ不満?」
「不満っていうか、なんだかもやもやしちゃって」
 アスカはそう言って、残っていたワインを一気に飲み干した。アスカの白い首が上下するのを見ながら、シンゴは自分の仕事について考えていた。

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