小説「サークル○サークル」01-366. 「加速」

翌朝、アスカが起きてくると、すでにシンゴが朝食を作っているところだった。
「おはよう」
「あ、おはよう。ゆっくり眠れた?」
「うん……少し、頭がガンガンするけど……」
「そう思って、今日は和食にしたよ」
シンゴに言われて、アスカがテーブルに視線を向けると、そこには焼き魚やのりなどが並べられていた。
「今、お味噌汁とごはん入れるから、座ってて」
「うん……」
アスカはぼーっとしながら、焼き魚を見つめていた。昨日のことが上手く思い出せない。
「はい、お待たせ」
アスカがぼーとしてる間にも、シンゴはテキパキと動き、ごはんと味噌汁をよそって、席についた。
「いただきます」と二人は声に出し、同時に味噌汁に手を伸ばした。
アスカはまだ頭がぼーっとしているようで、何もしゃべらない。シンゴもアスカのことを思って、敢えて何も話さなかった。
無言のまま、食事が終わり、アスカが後片付けをしている間にシンゴは書斎へ戻った。
書斎から出てきたシンゴの手には数枚の紙があった。

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