小説「サークル○サークル」01-350. 「加速」

翌日、アスカはマキコに電話をした。依頼の進捗を報告したい、と言ったら、マキコは来ると言った。
アスカは電話を切ってからずっとマキコを待っている。
マキコが来ることが気になって、他の仕事が全く手に付かない。
煙草の吸殻だけが、灰皿に溜まっていった。
アスカは時間の無駄遣いだと思い、立ち上がると掃除を始めた。
普段、アルバイトたちが掃除をしているとは言え、アスカの机は手つかずだ。書類が山のように積まれ、今にも雪崩を起こしてしまいそうだった。
書類を一枚一枚確認しながら、シュレッダーにかけるものと、ファイリングするものへと分けていく。
どうして、こんな風になるまで放っておいたのだろうと、自分の怠惰さに溜め息をつきながら、アスカは書類を次々仕分けていった。
その時だった。
はらはらと一枚の写真が床に舞い落ちる。
アスカは写真を拾い上げると、確認する為に写真を見据えた。
「え? これって……」
アスカの持っている写真には、なぜか依頼者のマキコが写っていた。

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