小説「サークル○サークル」01-218. 「加速」

翌日、アスカはいつも通り、レナのいるカフェにやって来ていた。
「おはようございます。いつもので宜しいですか?」
レナはアスカを見つけるなり言った。
「えぇ、お願い」
アスカはにこりと微笑んで言う。
今日のアスカは1枚のチラシを持っていた。
「あ、それ、観て来たんですか?」
アスカの持っている映画のチラシを見て、レナは言った。
「いいえ。これから観ようかと思って」
アスカの言葉にレナも「私も観たいなーって思ってるんです」と笑顔で言う。
アスカは内心ガッツポーズする。この言葉の為にわざわざレナに見えるようにチラシを持っていたのだ。
「ペアの鑑賞券を持っているんだけど、良かったら、一緒に観に行かない? あなたが良ければだけど」
アスカの言葉にレナは目を丸くした。
「いいんですか?」
「えぇ、一人で観に行くのは勿体無いでしょう。折角のペア鑑賞券なのに」
アスカの言葉にレナは声を潜めた。
「お店にナイショでお願い出来ますか? お客さんと出掛けるのは怒られると思うんで」
「えぇ、勿論」
アスカはにっこりと微笑むと、「いつが都合いいかしら?」と小声で訊いた。

Facebook にシェア
GREE にシェア
このエントリーをはてなブックマークに追加
[`evernote` not found]
[`yahoo` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


dummy dummy dummy