小説「サークル○サークル」01-213. 「加速」

アスカがシャワーから出て来るのを見計らって、シンゴはマフィンをトースターに入れる。アスカのことなら、どんなことでもよくわかっていた。シャワーを浴びる時間もシャワーから出て来て、スキンケアをする時間がとれくらいかかるかも全部。そんな自分を差し置いて、他の男がアスカを自分のものにしているなんて、許せなかった。
アスカへの愛情は、誰にも負けるはずがないと思っていた。そんな風に思う反面、そんなことを思っている自分を冷めた目で見てもいた。どんなにアスカのことをわかっていたとしても、アスカが自分に興味を持ってくれなければ、なんの意味もない。シンゴは恋愛は一方通行では成り立たないのだ、ということを痛いほど、今回のことで思い知っていた。
恋人同士であれば、きっとすでに別れていただろう。アスカだって、シンゴといるより、浮気相手の男と一緒にいる方がいいに違いない。けれど、結婚しているから、簡単に別れることも出来ず、仕方なく一緒にいるのだろう、とシンゴは思っていた。

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